男女差について~商品企画では女性優位?~

男女の違いについて

男女の違いについて、こんなことを感じたことはありませんか? 

  • 料理で、男性は皿にぶ厚いステーキが乗っていて辛口なのが好き、女性はたくさんの種類が少しずつ乗っていて、カラフルで甘いものが好きです。
  • 女性は次々と目まぐるしく話題を変えて(料理→ファッション→天気→イケメン→旅行のように)楽しく語りますが、男性は1つの話題に集中して結論を出したがります。
  • ショッピングに行くと、女性はあちこちの売り場を見て回るのが楽しみなのに対して、男性は目標(買う物)を明確に決め、すぐその売り場に向かって突進し、余計な物は見ません。
  • 男性が「君の考えはわからない、論理的に話してくれ!」と求めると、女性は「こんな素敵なのに、どうしてわかってくれないの!」と言います。

これは推測ですが、恐らく太古の時代、男性は狩りや漁を仕事にし大いなる「収穫」を目指し、女性は育児を主な仕事にしていました。幼児の死亡率が極めて高かったため、たくさんの子供を育てないといけないので、女性は育児に追われたと思います。性格や行動の違う子供らを把握して、きめ細かく配慮しないといけません。必然的に女性は小さく細々とした可愛いものが好きになります(好きでないと子育てはできません)。真面目に生活に取り組み、近隣の女性達とコミュニケーションを取り、知識を補い合い、助け合う習慣が必須です。
男性は収穫を挙げるにはどうしたら良いかを考えます。どの時期にどこに潜んでどう動けば狩りや漁に成功するかは彼にとって最も重要な知識となります。周囲の男性に負けると食べ物を確保できなくなりますから、のんびり道草を食うことはできません。狩りならば、目立たないように隠れ、チャンスには一瞬にして獲物をしとめなければなりません。論理的思考こそは、目標を効率良く達成する能力です。

市場調査データから見る男女差

ある産学協同研究の調査で、仮説案(良好な新商品アイデア)が16通り出ました。それらを男女500名(250名ずつ)に14項目で評価してもらいました。

下の図はその16案全体の5段階評価(1~5点)の平均点を男女別に描いたものです。
いかがですか?
女性の平均点は、見事にすべての項目で男性を上まわっていて、「越え難き壁」のようなものを感じますね。この上下の男女差はほとんどの項目で「統計学的にきちんと差あり」と断定されるレベルです。

      

また、下図は別の調査結果です。
(良好な新商品アイデア)仮説7案を10項目で評価した、男女各250人の平均値のグラフです。

      

女性の方が7仮説間(上下)の差、10項目(左右)間の差が大きいので、しっかりと仮説を検討しているかと思われます。良い物は良い、悪い物は悪い、ときちんと評価点を出しています。男性の評価は残念ながら集中していて(ばらつきが少なく)、特徴がはっきりしません。

      

男女差を越えて!

これらは、めったにない、特別な結果を私がピックアップしたものだと思いますか?
答えは「NO」です。このような結果は非常によくあるのです。テーマも評価項目も仮説案も回答者も全く異なるのに、
 ・女性の方が全般に平均値が高い
 ・女性の方が仮説間のばらつきが大きい
という結果がむしろ一般的です。確かに男性は商品企画での「最良のターゲット層」にはなりにくいです。

私達はターゲットを「30~40代女性会社員」のように外面的な属性で決めがちです。簡単で使いやすく、理解しやすいからです。
しかし、個人差は大きいので、男性でも女性的、女性でも男性的な人は大勢います。
商品企画で男性のデータが要らない、女性のみターゲットにすればよい、ということではありません。
最初は単純な属性でスタートして構いませんが、仮説案に対して関心の高い層と無関心な層が必ずいます。
商品企画では、男女差よりもむしろ関心の程度や購買行動パターンで分離をする方が重要です。
女性が多い、30~40代が多い、会社員が多いというのは「他と比較した結果」であって、それらをつなげて「30~40代女性会社員」というようにくくっても絶対的な中心ターゲットにはなりません。

男女・年齢・職業といった単純な属性を越えて真の購買層を見つけるには「クラスター分析」という手法を強くお薦めします(例えば仮説への評価点や購入重視度などで近い点数の人をグループ化する手法です)。

         

クラスター分析の例

上図は、回答者約400名の(良好な新商品アイデア)8仮説への評価点によるクラスター分析の実施例です。クラスター1・2は中評価、クラスター3は低評価、クラスター4は高評価のグループです。クラスター4は女性が多いものの、男女・年齢・職業などはかなり混在しています。

      

この貴重な手法は、WAKU LABOの「実践プロジェクト」と「学びコース」で使用しますので、体験後すぐに貴方の業務でご使用になれます。ご興味をお持ちになりました方は、こちらからご覧になってみてください。

     

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神田範明

一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会 会長、成城大学 名誉教授
専門分野:商品企画、市場調査、経営統計学、品質管理。 1949年8月生まれ、東京工業大学工学部経営工学科卒、同大学院修了。 その後名古屋商科大学に勤務し、企業での商品開発に関する品質管理の体系化や学生指導の必要性から商品企画の世界に入りました。 1993年成城大学教授となってからは商品企画の手法を体系化した「商品企画七つ道具」を発表(1994年)、実践応用に邁進しながらも次々に手法の開発や改良に努め、神田ゼミを成城大学随一の存在に育て、有名企業との産学協同研究やコンサルティングに現在も休みなく奮闘しています。

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