第9回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~どの企画案が最適コンセプトかを客観的に決定する~

最適な組合せのコンセプト案を決定する 第9回

企画商品の外郭が見えてきて、ますます楽しみになってきています!

    

<第9回の主な内容>

PRAT5 

  • 最適な組合せのコンセプト案を決定する      

Neo P7手法 

  • コンジョイント分析
  • クラスター分析

講義

  • コンジョイント分析②(多水準)
  • クラスター分析

実習

  • 例題の属性・水準を適切な直交表に割り当てよう
  • 『成城カレー』データについて適切なクラスター分析を行おう

チームディスカッション

  • 属性・水準の決定⇒直交表に割り当て
  • コンジョイント分析用アンケート調査票の作成

課題

  • コンジョイント分析用アンケート調査票の仕上げ
  • アンケートの実施
  • 回収後、データ作成

     

次より、講師の神田名誉教授の解説と講座風景をご紹介します。

    

商品企画が大詰めを迎えています

昨年9月から商品企画実習を始め、本日は第9回。「冷凍食品」チームを例に企画案をのぞいてみましょう。

「冷凍食品」チームの企画テーマは、「単身者向け冷凍食品」です。

<属性>

  1.  健康
  2.  料理の種類
  3.  国別マット
  4.  QR:体験
  5.  食材
  6.  料理
  7.  発熱シート
  8.  音が鳴る
  9.  料理シリーズ

上記9属性におけるそれぞれの水準について、「1.健康」と「2.料理の種類」を例にみてみましょう。

<属性と水準の例>

1. 健康 
第一水準:減塩
第二水準:医師監修
第三水準:なし

2. 料理の種類
第一水準:高級料理
第二水準:屋台料理
第三水準:家庭料理

     

「単身者向け冷凍食品」という新商品(シリーズ)を企画しているわけですが、まだ組み合わせで悩んでいます。

「【健康】減塩」で「【料理の種類】高級料理」で・・・・の組み合わせが最適コンセプトなのか?
「【健康】医師監修」で「【料理の種類】屋台料理」で・・・・の組み合わせが最適コンセプトなのか?
「【健康】なし」で「【料理の種類】高級料理」で・・・・の組み合わせが最適コンセプトなのか?
「【健康】減塩」で「【料理の種類】家庭料理」で・・・・の組み合わせが最適コンセプトなのか?
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組み合わせの最適コンセプトを定量的に客観的に明らかにする

「単身者向け冷凍食品」という新商品(シリーズ)コンセプト(属性と水準の最適な組み合わせ)を客観的に評価したい。
そういうときに、コンジョイント分析を行うのが適しています。

段取りとしては、コンジョイント分析によってそれぞれの属性・水準が「買いたい」などの総合評価にどの程度影響するか(効果を押し上げるか)を正確に測定するために、事前に直交表(ちょっこうひょう)にあてはめて、独立性を保てるように準備します。

例えば、「雪山」が好きな人は「雪景色」も好きといった関係性の強い「属性」が含まれると、「雪山」が好きで買いたいのか、「雪景色」が好きで買いたいのか、独立して測定できません。

具体的な手順を次の「環境に優しい弁当容器」の例でご説明します。

      

1.「属性」と「水準」の組み合わせ案まで絞り込めた

     

2.直交表にあてはめる

⇒ 独立して属性と水準の効果を測定できるようにするため直交表にあてはめて確認する。

     

3.コンジョイント分析用のアンケート票を作成する

     

4.アンケートを採る

5.(P7かんたんプランナーで)コンジョイント分析を行う

⇒ 組み合わせ案の最適コンセプトを、定量的に客観的に評価して決定する。

         

性別や年齢でターゲットを見つけられないときはクラスター分析を行ってみる

コンジョイント分析の結果、どうも芳しくない、つまり、企画案の評価が悪いという場合もあります。
500人の回答データを分析して評価点は3点だった。
(5点満点評価で、平均値4点以上だと売れる!と判断できるが、3点では売れない)

500人全員が3点だったというわけではなく、人それぞれでしょうが、男女に分けて分析し直しても、年代に分けて分析してみても、全体500人で分析したときと結果は変わりませんでした。
そういうときに、価値観で分類してコンジョイント分析を実行してみると、非常に判りやすい結果が得られるというケースがよくおきます。その後、クラスターの中に入っている人がどういう人か、性別や年齢などで戻すと、ターゲット像を掴みやすくなります。

    

     

チームで協力して商品企画

本日の講義は、多水準直交表とクラスター分析を学び、実習を行い頭の体操をした後、チームディスカッションに入りました。

というわけで、各チームはどのように進展したでしょう。

テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」

「単身者向け冷凍食品」チーム

「3水準2つ・2水準8つ」から→「3水準2つ・2水準5つ」に絞り→自分たちで評価してみて問題がなかったので→一般質問を考え始めました。総合指標は「食べたい」「買いたい」。クラスター分析用の食に関する質問を見直しました。

「男性がもらってうれしいカップ」チーム

「4水準1つ、3水準3つ、2水準1つ」→アイデアの全体像を見直し、総合指標を「もらいたい」と「自分で購入する場合、最大購入価格をいくらならという金額をとる」ことにしました。

両チームとも、アイデアも良いし、組み合わせも良いし、結果が楽しみですね!
お疲れ様でした!

次回までの宿題は、コンジョイント分析を行うためのアンケート票作成とアンケートの実施、データ作成です。

    

本日は全員リーモート参加です。緊急事態宣言が発令されましたことを受けて実施方法を急遽変更しました。神田講師と前田アシスタント講師が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」にそれぞれ入り、チームのディスカッションをファシリテート(促進)し、リーダーを中心にメンバーと討議・検討を進めています。WEB上のチームディスカッション風景です。

      

感動商品を生むためのメソッド『Neo P7』を正確に深く理解するためのカリキュラム構成です。講師は『Neo P7』開発者である神田 範明 名誉教授が担当し、丁寧にわかりやすくお伝えします!

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堀内香枝

一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会 理事
女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動、企業様のマーケティング課題解決支援、WAKU LABOプロジェクトの推進を行っています。

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