第2回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~アイデア発想法~

潜在ニーズ仮説を大量に創り、絞り込む 第2回

9月26日、WAKU LABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」全12回のうち2回目、本日はの内容はPART1~6からあるうち、PART1の後半で下記2テーマです。
① 「Neo P7」2番目の手法、アイデア発想法
② アイデア選択 
※(アイデア)選択:1番目の手法「仮説発掘法」と2番目の手法「アイデア発想法」から創出されたアイデアを統合して大量のアイデア一覧から企画に有用なアイデアを絞り込む

       

       

<第2回の主な内容>

PRAT1 

  • 潜在ニーズ仮説を大量に創り、絞り込む 

Neo P7手法 

  • アイデア発想法

講義

  • アイデア発想法
  • アイデア選択

実習

  • 焦点発想法
  • アナロジー発想法
  • アイデア選択

チームディスカッション

  • 各チームのテーマに沿った情報収集の結果報告
  • 仮説発掘アンケートを実施して創出した仮説(アイデア)の報告、検討
  • チームにより焦点発想法の実施

次回までの課題

  • アイデア創出
  • アイデア選択

     

次より、「アイデア発想法」の2つの手法「焦点発想法」と「アナロジー発想法」に関して、講師の神田名誉教授の解説と講座風景をご紹介します。

     

「仮説発掘法」と「アイデア発想法」の使い方

「アイデア発想法」に入る前に、「仮説発掘法」と「アイデア発想法」の違いといいますか使い方についてお伝えしておきます。

第1回で「仮説発掘法」(フォト日記調査、仮説発掘アンケート)を学んできました。
「フォト日記調査」はお客さんのリアルな体験をもとにヒントを得ます。
「仮説発掘アンケート」は発想を誘発する仕立てでお客さんのアイデアを得ます。
それでもアイデアが出ないということがあります。
それを補うために、「アイデア発想法」で量的にも質的にも補充します。
本日第2回で学ぶ「アイデア発想法」のやり方を知っていると、アイデアが出ない悩みから解放され安心できます。

それでは「アイデア発想法」に進みましょう。まず「焦点発想法」をご紹介します。

     

無関係なものに焦点をあてて上手に発想「焦点発想法」  

「焦点発想法」の原理からお話しします。下図の<ダメな発想>をご覧ください。

    

新し商品やサービスを企画するためにアイデアを出そうとするとき、みなさまならどのようにされますか?
例えば、「パソコン」を企画するとき、「いいパソコンって何?」とそのまま考えてしまうと発想が広がりません。

      

対比して下図<上手な発想>をご覧ください。

     

 

「パソコン」を企画したいとき、パソコン以外の他の物からヒントを得て、パソコンの何がしかのアイデアを出す方法です。パソコン全体を見ず小さく分けて考えます。
この<上手な発想>を実現してくれるのが「焦点発想法」です。

1、ユニークな視点を得るために、対象商品と無関係なものに焦点をあてる
2、モチベーションを高めるために、自分の好きなことに焦点をあてる

これら2点がポイントです。

       

「焦点発想法」の手順

「音楽」を対象に⇒「住宅」の商品アイデアを発想する例で「焦点発想法」の手順をご説明します。 
下表「焦点発想法」と照らし合わせながらご覧ください。

     

「音楽」を対象に⇒「住宅」の商品アイデアを発想する例
1.対象商品と無関係なものに焦点をあてる・・・「音楽」
2.自分の好きなことに焦点をあてる・・・私は「音楽」が好き
というわけで、対象の要素は「音楽」について記入しています。

「焦点発想法」の手順

<WAKULABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」テキストより>

1.企画商品と無関係であなたの好むモノ、趣味、スポーツなどの対象を1つ選んでください。

2.その対象の要素を10個を考え「対象の要素」の列に記入してください。
  10個はなるべく類似・関連しないように考えてください。
  10個に限定せず20個でも50個でも構いません。 

3.記入した「対象の要素」から1つを選び、横に「中間アイデア」⇒「商品アイデア」を記入してください。
  「中間アイデア」:その要素がどのようなものか?イメージや性質は?を記入
  「商品アイデア」:中間アイデアを生かして、商品にするとしたらどんなものがよいか?を記入

4.以下同様に、「中間アイデア」⇒「商品アイデア」の順に、行方向に(横に)、残りも記入してください。

アイデアが出ないとお困りの方は、ぜひ活用してみてください。

     

常識破壊なアイデアを出せる「アナロジー発想法」

「いっそのこと今有る機能をゼロにしてしまおう」という大胆な発想法が「アナロジー発想法」で、神田が提案したこの手法は、既存のモノ・サービスを大改革して感動商品に変えるというときに役立つやり方です。 

世の中に逆転の発想をしてヒットした商品にはどのようなものがあるでしょう。

  • 袋から麺を取り出す固定概念を覆してカップと麺を一緒にしたカップヌードル
  • 腰痛になる床の雑巾がけから立ったままで掃除できる花王のクイックルワイパー
  • 片付けないとお母さんに怒られるゲーム機から置いてあるとつい家族で遊びたくなる任天堂のWii
  • 体に悪いイメージを払拭したキリンの特保コーラ
  • 砂糖と同じ甘さでカロリーをコントロールできる味の素パルスイート
  • ブラジャーをしているのにしていないように見えるワコールのヌーブラ
  • 業務用作業着のワークマンがおしゃれでかっこいい防寒着

探せばいろいろと見つかりますが、いざ逆転の発想をしてみようとすると簡単ではありません。

   

「アナロジー発想法」の手順

<WAKULABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」テキストより>

「居酒屋」をテーマに「アナロジー発想法」の手順をご説明します。
「アナロジー発想法」のフォーマットは下記に掲載をしておきます。

「常識」⇒「逆設定」⇒「問題点」⇒「キーワード」⇒「アナロジー」⇒「商品アイデア」と展開しながら発想します。

1.現状あるモノやサービスの常識をリストアップする

   居酒屋だから、酒がある

2.常識をすべて逆設定(否定する)

   居酒屋なのに、酒がない

3.最も困る(解決すべき)問題点は何か?

   酒を飲みたいのに、飲めない

4.解決へのヒント、方向のキーワードを探る

   買いに行けばよい

5.解決の手段、方法、道具、ツールなどを考える(アナロジー(類比))

   酒店、コンビニ、自販機

6.そこから商品アイデアにできないか?

   持ち込み式居酒屋

       

       

チームで協力して商品企画

さて、各チームはどのように進展したでしょう。

テーマ1「冷凍食品」
テーマ2「コップ」

「冷凍食品」チームは、20代~60代の知人20名弱に「仮説発掘アンケート」を実施し結果と、本日のチームディスカッション内で「焦点発想法」を実施した結果を合わせて合計65のアイデアを創出し、そこから46のアイデアに絞りました。そして、企画する「冷凍食品」の方向を「一人暮らし向け、単身者向け(高齢者を含む)」と設定するところまで進めました。

「コップ」チームは、オープンデータの収集と「仮説発掘アンケート」を踏まえたディスカッションから、「男性が、ギフトでもらったらうれしいコーヒーや紅茶のカップ」とイメージを具体化し、再度「仮説発掘アンケート」を実施するところまで進めました。

     

Zoomのブレイクアウトルーム(グループ分け)機能を利用してチームディスカッションを行った講座中の風景。調べてきた情報や実施したアンケートデータをみんなで共有しながら各リーダーがチームを引っ張っています!

      

企画テーマがより具体的になりました。
次回は、仮説アイデアを選択するところまで進みます。
ワクワクしてきます!

     

「商品企画」をご一緒に体験してみませんか。
ご興味をお持ちになった方は、こちらからお問合せください。
カリキュラムの詳細はこちらからご覧いただけます。

        

     

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堀内香枝

一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会 理事
女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動、企業様のマーケティング課題解決支援、WAKU LABOプロジェクトの推進を行っています。

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