今回は、「ユーザー満足度の高い福祉機器の開発に向けて」と題して、「顧客ニーズ調査」をテーマにします。
目次
動力源の研究技術を活かして福祉機器を開発したい
福祉機器の市場に参入しようと製品開発を行ってきた企業様。
既存の福祉機器や、メーカーの製品、知人ルートで、ユーザーニーズなどを自力でそれなりに入手し、開発目標の製品はほぼ完成に近づいていました。しかし、その段階になって、製品の仕様が本当にユーザーニーズに合致しているのか不安になってきたというのです。
多くのユーザーが望む商品を市場投入したい。
ほんとうはどのような仕様が望まれているのか?
本音のニーズを理解していないのではないか?
開発した製品にその本音が反映できていないのではないか?
BtoBから→BtoCへ|市場・ユーザーニーズを掴み、自社の強みが発揮できる商品開発を行う
これまで、他分野の製品の動力源に貢献してきた企業様が、高齢化社会を背景に福祉機器の開発に取り組んでいました。
技術力には自信がありましたが、BtoC製品への取り組みは初めてのことで、一般ユーザーに関する情報は皆無であり、手探りの開発でした。
オープン情報はそれなりに収集し、開発に活用してきましたが、細部のつくりこみに役立つ情報がなく、不安を抱えたまま開発を続けていました。
そこで、ユーザーニーズの分析・アドバイスをしてくれる機関を探していたところ当協会を知り、依頼をしたという経緯です。
顧客ニーズ調査|福祉機器を使っているユーザー本人のニーズを知る
企業様も開発に伴い、オープン情報や知り合いの医療関係者などから情報は収集されていましたが、開発している製品が、福祉機器で、その中でも一般個人のユーザーが使用する機器であったため、医療・福祉関係者からの話ではどうしても間接的な話に終わり、本質的なニーズが伝わってきていませんでした。
そこで、ユーザー本人に直接調査し、多くのユーザーに共通する本質のニーズを解明するアプローチを採ることにしました。
顧客ニーズ調査|対象者のリストアップ
- 調査対象者の設計(属性、障がいの分類)
- 医療・福祉関連施設など含めて対象者をリストアップ
- 施設特性により分類
- 調査依頼
顧客ニーズ調査|開発目標の福祉機器を使用している一般ユーザーへ調査を実施
- 開発目標の福祉機器の使用実態
- 場面、使用シーン、環境
- 安全性/危険性
- 困りごと・不安点 など
分析|開発を進めていくうえで決めていくべき優先順位
分析の手順は以下のように行いました。
- 調査結果を個別ニーズ、障がいの違いによるニーズ、全員に共通するニーズなど複数の角度から分解
- ニーズの登場頻度ランク分け
- 少数意見だが、際立つ新しく発見されたニーズをピックアップ
- 3のニーズを持つ属性の特徴把握
分析結果を統合し、開発に際し重要視すべきニーズの優先順位付けを行い、企業様へご報告およびご提案を差し上げました。
ユーザー満足度の高い福祉機器の開発|成果
ユーザー本人の本質的ニーズの分析により、既存機器メーカーが見落としていたことや、本質ニーズを理解していないため充足できていなかった機能が判明できました。
開発を進めていくうえで決めていくべき優先順位付けができ、開発予算を集中化できました。
何より開発現場は、自信を持って開発を成し遂げることができました。
開発した商品を使用したユーザーからの評価も大変良かったそうです。
そして、会社として、目標としていた市場シェアを獲得できる目途がたった、と感謝の言葉をいただきました。
JMLAでは、このような企業様が抱える「マーケティング課題の解決」をご支援しています。「商品開発/事業開発」に関しては、プロフェッショナルチーム『WAKU WAKU創造 LABO🄬(ワクラボ)』がご支援しております。
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堀内香枝
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